- ✔ 効率的に筋肥大するための食事内容を知りたい
- ✔ タンパク質やカロリーなどをどれくらい摂ればいいのか知りたい
- ✔ 筋肥大に効果的な食事の具体例を知りたい
「筋肥大のためには、何をどれくらい食べればいいのかわからない」
「タンパク質は意識しているけど、なかなか身体が変わらない」
このように、筋トレを始めても食事の取り方で悩む人は少なくありません。
筋肥大を効率よく進めるためには、トレーニングだけでなく、筋肉を作るためのエネルギーや栄養をしっかり摂る必要があります。
特に大切なのが、十分な摂取カロリーを確保したうえで、タンパク質・脂質・炭水化物のバランス(PFCバランス)を整えることです。
この記事では、科学的根拠と実践経験に基づいて、筋肥大を最大化するための摂取カロリーとPFCの決め方をわかりやすく解説します。

「結局、1日にどれくらい食べればいいの?」という人は、まずこの記事を参考にあなたに合った食事の目安を確認してみましょう。
筋肥大の食事を決める3ステップ
筋肥大を効率よく進めるためには、適切な栄養摂取が欠かせません。
なぜなら、トレーニングは筋肥大の「きっかけ」に過ぎず、筋肉を作る材料やエネルギーは食事から摂る必要があるからです。
ここでは、筋肥大のための食事で外せないポイントを3つ解説します。

STEP1|まずは筋肥大に必要なカロリーを確保する
筋肥大を目指す食事において最も優先すべきは、摂取カロリーが消費カロリーを上回る「オーバーカロリー」の状態を作ることです。
なぜなら、筋肉の成長には、筋肉の材料であるタンパク質だけでなく、筋肉を作るためのエネルギーも必要だからです。
実際にエネルギーが不足した状態(アンダーカロリー)では、タンパク質をしっかりと摂っていても筋肥大が促されにくくなることが研究で示されています。【Murphy & Koehler 2021】
それどころか、カロリーが不足している状態が続くと、身体は筋肉を分解することで足りないエネルギーを補おうとするので、筋肉量が減少してしまう場合もあります。
一方で、オーバーカロリーの状態ではタンパク質がエネルギー源として使われにくくなるため、筋肥大に必要なタンパク質量は減少する可能性があります。【Simmons 2016】
つまり、効率的に筋肥大を促すためには、まずは消費する以上のカロリーをしっかり摂ることが重要です。

タンパク質はしっかり摂っているのに筋肉の成長を感じない人は、摂取カロリーが足りていない可能性があります。
心当たりがある場合は、1日の摂取カロリーが十分に摂れているかこの記事を参考に確認をしてみましょう!
STEP2|次にPFCバランスを整える
筋肥大に必要なカロリーが確保できたら、次に考えるのはPFC(P:タンパク質、F:脂質、C:炭水化物)、つまり三大栄養素のバランスです。
筋肉の材料となるタンパク質はもちろん、炭水化物は体を動かす主なエネルギー源となり、脂質もホルモンの合成など身体機能を維持するために欠かせません。
筋肥大効果を最大化するためには、ただ十分なカロリーを摂るだけでなく、そのカロリーをどんなバランスで摂るかも重要です。

最初から完璧なバランスを維持しようとする必要はありません。
十分なカロリーが摂れていれば、まずはざっくり整えられれば十分です。
STEP3|最後に続けやすい食事に落とし込む
筋肥大は、数週間、数ヶ月で大きく進むものではありません。
しっかり筋肉をつけて見た目を変えるには、トレーニングだけでなく食事も含めて継続が必要です。
そのため、完璧だけど続るのが難しい食事よりも、ある程度バランスが取れていて続けやすい食事にすることも大切です。
この記事では、これから1日のカロリーと各栄養素の摂取量の目安を解説しますが、最初から完璧でなくても問題ありません。
細かな調整や食材の種類、食事のタイミングなどは、習慣が定着してから少しずつ意識すれば十分です。
まずは目標の摂取量を「1日の合計でだいたい摂りきる」というイメージで取り組んでみてください。
それでは早速、1日の摂取カロリーの目安から確認しましょう。
1日の摂取カロリーの目安を決める
まずは筋肥大を目指す食事の土台となる、1日の摂取カロリーの目安を設定します。
筋肥大に必要な摂取カロリーは、人それぞれの体格や1日の活動レベルによって異なります。
そのため、自分に合った1日の摂取カロリーを設定する必要があります。
目標の摂取カロリーは、次の手順で決めていきます。

この記事では下記のモデルケースを例として、具体的な数値の決め方を説明します。
各数値は自分用に置き換えながら、1つずつ確認してみてください。
維持カロリー(メンテナンスカロリー)を把握する
1日の摂取カロリーを決めるには、まず今の体重が増えも減りもしない「維持カロリー(メンテナンスカロリー)」を確認します。
維持カロリーは、1日の基礎代謝(何もしなくても1日に消費するカロリー)に日々の活動で消費するカロリーを足したもの、つまり1日の消費カロリーの合計と同じです。
基礎代謝の計算方法は様々な方法がありますが、この記事では厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2025年版)を参照します。
30〜49歳の男性であれば、体重1kgあたり22.5kcalが基礎代謝の目安となります。

Aさんの場合、65kg × 22.5 ≒ 1,463kcalが基礎代謝になります。
基礎代謝がわかったら、次は日々の活動で消費しているカロリー分を足します。
身体活動レベルによるカロリーの上乗せ分の基準値は以下のとおりです。
| 身体活動レベル | 代表値 | 日常生活の目安 |
|---|---|---|
| 低い(Ⅰ) |
1.50 (1.40〜1.60) |
1日の大半を座って過ごし、身体を動かす機会が少ない |
| ふつう(Ⅱ) |
1.75 (1.60〜1.90) |
座り仕事が中心だが、通勤や家事、立ち仕事、軽い運動などを行っている |
| 高い(Ⅲ) |
2.00 (1.90〜2.20) |
移動や立ち仕事が多い、または日常的に活発な運動を行っている |
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
Aさんの場合、デスクワークが中心ですが、週2〜3回筋トレ習慣があるので、活動レベルは1.75として計算します

Aさんの維持カロリーの目安は1463kcal × 1.75 ≒ 2560kcalとなります。
つまり、Aさんは1日に2560kcal前後の食事を摂ると、体重が大きく増えも減りもしないと考えられます。
少しだけオーバーカロリーにする
維持カロリーを確認できたら、そこに少しだけカロリーを上乗せして実際の摂取カロリーを設定します。
筋肥大を促すためには、維持カロリーを上回る「オーバーカロリー」の状態を作る必要があります。
上乗せするカロリーについては、トレーニング歴や個人差、どれくらいのペースで増量したいかによって変わります。
ただし、あまりにカロリーがオーバーしすぎると、筋肉だけでなく体脂肪も必要以上についてしまいます。
オフシーズンのボディビルダーを対象としたレビューでは、不必要な体脂肪の増加を抑えながら筋肉量を増やすためには、初心者〜中級者は維持カロリーの10〜20%程度を上乗せすることが推奨されています。【Iraki et al. 2019】
今回は上乗せするカロリーを10%として設定してみます。

Aさんの場合は維持カロリー2560kcalの10%にあたる256kcalを上乗せし、合計2816kcalが1日の目標摂取カロリーの目安なります。
体重の増え方を見ながら調整する
目標の摂取カロリーを設定したら、数週間〜1ヶ月ほど設定したカロリーになる食事を続けて、体重の変化を確認します。
この工程を行う理由は、計算で算出した維持カロリーと実際の消費しているカロリーのズレを確認・修正するためです。
たとえば、2週間同じような食事を続けていても体重がまったく増えないのであれば、思っているよりも消費カロリーが多く、十分なオーバーカロリーになっていない可能性があります。
逆に、短期間で体重が増え過ぎている場合は、摂取カロリーが多過ぎると考えられます。
適切な増量ペースは、トレーニングによってどれだけ筋肉や筋力を伸ばせる段階にあるかによって変わります。
一般的に、初心者ほど筋肉を増やせるペースは速く、筋力や筋肉量が発達してくるにつれて、筋肉が増えるペースも緩やかになります。
増量ペースは以下の表を目安にしましょう。
| レベル | 判断基準 | 増量ペース |
|---|---|---|
| 初心者 | 重量や回数を週ごとに伸ばせる | 1.0〜1.5% / 月 |
| 中級者 | 重量や回数を月ごとに伸ばせる | 0.5〜1.0% / 月 |
| 上級者 | 数ヶ月単位でやっと伸ばせる | 〜0.5% / 月 |
もし、実際の体重増加がこの目安を下回る場合は1日の摂取カロリーを約100kcal増やし、反対に増え過ぎている場合は100kcal減らすというように微調整を行い、再度体重の変化を確認してみましょう。

Aさんはトレーニングを始めたばかりなので、月に体重の1.0〜1.5%(65kgなら月0.65〜1.0kg)増えていれば、順調に増量できていると考えられます。
1日の摂取カロリーが決まったら、次はSTEP2の「PFCバランスを整える」に進みます。
タンパク質・脂質・炭水化物の摂取量を、順番に決めていきましょう。
PFCはタンパク質の量から決める
1日の摂取カロリーの目安が決まったら、次は三大栄養素の割合(PFCバランス)を整えます。

まず最初に決めるのが、筋肉の材料となるタンパク質の摂取量です。
筋トレによって筋タンパク質合成が高まり、筋肉を作るためのエネルギーが十分に確保されていても、材料となるタンパク質が不足していれば、筋肥大を十分に促すことはできません。
そのため、PFCバランスを決める際は、まず筋肥大に必要なタンパク質量を確保し、そのあとに脂質と炭水化物の量を決めていきます。
それでは、筋肥大効果を最大化するための1日のタンパク質摂取量から確認しましょう。
筋肥大を最大化するなら1.6〜2.2g/kg/日が目安
筋トレとタンパク質摂取に関する49件の研究をまとめたメタ分析では、タンパク質摂取量を増やすことで筋肉量の増加効果が高まり、体重1kgあたり約1.6g/日でその効果はほぼ頭打ちになることが示されています。【Morton et al. 2018】
Mortonらは、個人差を考慮すれば2.2g/kg/日まで摂ることを検討してもよいと述べる一方、結論では、健康な成人では約1.6g/kg/日で十分であるとしています。
このことから、筋肥大を最大化するためのタンパク質摂取量は、1日に体重1kgあたり少なくとも1.6g、最大で2.2g/日が目安となります。

Aさん(体重65kg)の場合、65kg × 1.6g = 104g、65kg × 2.2g = 143gとなるので、104〜143gが1日のタンパク質摂取量の目安になります。
タンパク質は1日3〜4回に分けて摂る
タンパク質は1食あたり0.4〜0.55g/kgで3〜4回程度に分けて摂り、1日の合計で1.6〜2.2g/kgを満たせると理想的です。
Irakiらのレビューでは、1食あたり0.4〜0.55g/kg程度のタンパク質を、1日3〜6回に分けて摂ることが推奨されています。【Iraki et al. 2019】
これはタンパク質を一度にまとめて摂るよりも、ある程度間隔を空けながら複数回に分けることで、1日を通して筋肉が合成されやすい状態を維持しやすくするためです。
ただし、回数を増やすほど筋肥大効果が高くなるわけではありません。
大切なのは、1回あたりのタンパク質量を確保しながら、1日の合計で1.6〜2.2g/kgを満たすことです。
そのため、継続のしやすさを考えても、普段の食生活では1日3〜4回に分けるのが現実的です。

まずは1日3回の食事ごとにしっかりとタンパク質を多めに摂ることを意識し、足りない場合は補食(間食)やプロテインなどで補うという形がおすすめです!
次に脂質の必要量を確保する
タンパク質の摂取量が決まったら、次に脂質の量を設定します。
脂質は、細胞膜の構成やビタミンの吸収、ホルモンの合成などに関わる、体にとって必要不可欠な栄養素です。
筋肥大にも関わるテストステロンなどのホルモン合成にも関係しているため、脂質を極端に減らすとホルモン分泌に悪影響を与える可能性があります。
そのため、脂質は減らし過ぎず必要量をしっかり確保することが大切です。
ここでは、脂質の必要摂取量の目安と注意点を確認します。
脂質は摂取カロリーの20〜30%が目安
Irakiらのレビューでは、脂質は総摂取カロリーの20〜35%程度を摂ることが推奨されています【Iraki et al. 2019】。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」でも、成人の脂質摂取量は**総摂取カロリーの20〜30%**が目標量とされていることから、基本的には総摂取カロリーの20〜30%を満たしていれば問題ないでしょう。
これらの基準は、体重に換算するとおおよそ0.5〜1.5g/kg/日に相当するため、この記事では計算をしやすいように「体重×1g」を目安としています。

Aさんの場合、脂質の摂取量の目安は 65kg × 1g = 65g/日(脂質は1gで9kcalなので65 × 9 = 585kcal、総摂取カロリーの約21%)となります。
脂質の摂り過ぎには注意
脂質は1gあたり9kcalと、タンパク質・炭水化物の2倍以上のカロリーがあるため、摂りすぎると総カロリーが大幅に増え、体脂肪が増えやすくなります。
体脂肪が増えすぎると、筋トレには以下のようなデメリットがあります。
体脂肪が増えすぎるデメリット
- 体脂肪の影響で、トレーニング動作の可動域が低下する
- テストステロンなど、筋肥大に関わるホルモン環境に悪影響を与える可能性がある
- 体脂肪に覆われることで、筋肉が成長しているかの判断がしづらい
筋肥大にはある程度のオーバーカロリーが必要ですが、余分なカロリーが多すぎると体脂肪も増えやすくなります。
脂質は必要量を確保しつつ、摂り過ぎないようにしましょう。
特に、脂身の多いお肉や魚・揚げ物・洋菓子などは気づかないうちに大量の脂質を摂取してしまいやすい食品です。
たとえば、牛丼や揚げ物の定食が続いてしまうと、すぐに脂質の推奨摂取量を大幅に超えてしまうので注意しましょう。

摂り過ぎていると感じる場合には、「焼く、蒸す、茹でる」といった油をあまり使わない調理方法の食べ物を選ぶようにしてみましょう。
残りのカロリーを炭水化物から摂る
タンパク質と脂質の量が決まったら、残りのカロリーは炭水化物(糖質)から摂取します。
炭水化物は、トレーニング中の主要なエネルギー源となる栄養素です。
不足するとトレーニングのパフォーマンスが低下し、結果として筋肥大にも悪影響を与える可能性があります。【Henselmans et al. 2022】
また、総摂取カロリーの中でも大きな割合を占めるため、筋肥大に必要なカロリーを確保するうえでも重要です。
それでは、具体的な目安量と調整方法を確認しましょう。
炭水化物の摂取量は残りのカロリーから計算する
炭水化物の摂取量は、目標摂取カロリーからタンパク質と脂質のカロリーを引いた残りから算出します。
Irakiらのレビューでも、タンパク質と脂質を確保した上で残りのカロリーを炭水化物に充てることが推奨されており、目安は1日に「体重 × 3〜5g」以上とされています。【Iraki et al. 2019】
計算の方法は以下の通りです。
タンパク質は1gあたり4kcal、脂質は1gあたり9kcal、炭水化物は1gあたり4kcalとして計算します。
目標摂取カロリーからタンパク質と脂質のカロリーを引いた残りを4で割ると、炭水化物の目標摂取量(g)が求められます。
炭水化物の摂取量の計算方法
目標摂取カロリー:2,816kcal
タンパク質:104g × 4kcal = 416kcal
脂質:65g × 9kcal = 585kcal
残り:2,816 − 416 − 585 = 1,815kcal
炭水化物:1,815 ÷ 4 = 約454g
以上から、Aさんの場合は1日の炭水化物の摂取量の目安は454g(体重×約7.0g)になります。
摂取カロリーは炭水化物の量で調整する
タンパク質と脂質はそれぞれ体重を基準にほぼ固定をするため、合計の摂取カロリーは基本的に炭水化物の摂取量で調整します。
たとえば、数週間体重の増加がない場合は炭水化物の摂取量を増やす。
体重の増加ペースが早い(体脂肪がつき過ぎている)と感じる場合には少し減らすという具合です。
炭水化物は主食となるご飯や小麦製品に多く含まれる栄養素なので、外食などでも調整がしやすいでしょう。

炭水化物は1gで4kcalなので、摂取カロリーを100kcal増やしたいのであれば25gの炭水化物(お茶碗半分程度)をプラスすればいいことになります。
PFCの摂取量の目安のまとめ
| 栄養素 | 摂取量の目安 |
|---|---|
| タンパク質 | 体重 × 1.6〜2.2g / 日 |
| 脂質 |
体重 × 1g / 日以上 (総摂取カロリーの20〜30%) |
| 炭水化物 | 体重 × 3〜5g / 日以上 |
カロリーとPFCを満たす1日の食事例
1日の摂取カロリーとマクロ栄養素の目安を設定できたら、最後に実際の食事に落とし込みます。
ここでは、これまでの計算をもとに、Aさんをモデルケースにした1日の食事例を紹介します。
Aさんの目標摂取カロリーとマクロ栄養素の目安をまとめると以下のとおりです。
この数値を目安に、1日の食事を組み立てていきます。
なお、ここで紹介する食事例はあくまで一例です。
体格や活動量によって必要量は変わるため、自身の目標カロリーとPFCに合わせて食事内容は調整しましょう。
筋肥大を目指す会社員の1日の食事例
Aさんの生活スタイル(デスクワーク・平日忙しい・外食やコンビニが多い)を踏まえた食事例が以下のとおりです。
| 食事 | 内容 | kcal | P / F / C |
|---|---|---|---|
| 朝食 | ご飯大盛り300g・銀鮭1切れ(80g)・納豆1パック | 740 | 31 / 16 / 118 |
| 昼食 | 生姜焼き定食(豚ロース約100g・ご飯大盛り300g) | 833 | 27 / 25 / 125 |
| 補食 | おにぎり2個・プロテイン1杯 | 490 | 26 / 2 / 92 |
| 夕食 | 鶏もも肉のソテー120g・ご飯250g・サラダ | 706 | 27 / 22 / 100 |
| 合計 | 2,769 | 111 / 65 / 435 |
このように、外食やコンビニを活用しながらでも、目標に近い摂取カロリーとPFCバランスに調整することは可能です。
外食・コンビニを利用するときのポイント
外食やコンビニを利用するときは、主食と主菜がそろう「定食型」で考えると、カロリーとPFCを整えやすくなります。
パンや麺、丼のような単品料理だけで済ませると、タンパク質が不足したり、脂質が摂り過ぎたりと、栄養バランスが偏ってしまいがちです。
たとえば、外食なら「ご飯+肉や魚の主菜」、コンビニなら「おにぎり+サラダチキンや焼き魚」のように組み合わせるイメージです。

迷ったときは「主食(炭水化物)+タンパク質」がそろっているかを確認してみましょう!
筋肥大の食事でよくある質問
最後に、筋肥大を目指す食事を実践する上で、よくある質問についてまとめて回答します。
ここまで解説した摂取カロリーやPFCの設定を基本にしながら、自分の生活に合わせて調整していきましょう。
トレーニングしない日の食事はどうする?
結論から言えば、トレーニングをしない日もカロリーやタンパク質の摂取量を大きく変える必要はありません。
限界近くまで追い込んだトレーニングを行うと、その後少なくとも24時間は、タンパク質を摂取した際の筋肉の合成が高まることがわかっています。【Burd et al. 2011】
つまり、身体はトレーニングした日だけでなく、その翌日もまだ「筋肉が育ちやすい状態」にあります。
そのため、前日にトレーニングをしているのであれば、休養日であってもトレーニングした日と同じようなカロリーやタンパク質を摂ることが、効率よく筋肥大を進めるうえで有効です。
トレーニングから数日間空いてしまっている場合でも、体重が落ちない程度のカロリー(維持カロリー)を意識しつつ、タンパク質は普段の目標量を維持しましょう。
先述の通り、摂取カロリーやタンパク質が不足すると、筋肉量が減少しやすくなってしまいます。

週3回トレーニングをするなら、週の大半が同じような摂取カロリーと栄養バランスになるのが理想的です!
少食で食べられない場合の対処法は?
少食な人にとっては、筋肥大に必要なカロリーやタンパク質を1日で摂りきることが難しい場合があります。
ただし、摂取カロリーやタンパク質の摂取量が少ないままでは筋肥大は促されにくいため、少しずつでも食べる量を増やす必要があります。
以下では、摂取カロリーを増やす工夫をいくつか紹介します。
摂取カロリーを増やす工夫例
- 食事の回数を増やす(補食を摂る)
- 消化しやすい食品を選ぶ(消化の遅い脂質の多い食べ物を控える)
- 固形物が食べにくい場合は、プロテインなどで液体から補う
ポイントは「一度にたくさん食べる」のではなく、1日を通して少しずつ食べる量を増やすことです。
自分に合う方法を取り入れ、無理のない範囲で継続しましょう。
プロテインやサプリメントは摂った方がいい?
食事から筋肥大に必要な栄養が摂れていれば、サプリメントは必ずしも必要ではありません。
ただし、少食で量が食べられない場合や、忙しくて食事を摂る時間が限られる場合などは、間食にプロテインを摂るなどサプリメントを活用しましょう。
何かサプリメントを試したい場合は、クレアチンがおすすめです。
トレーニングのパフォーマンスを高め、筋力の向上や筋肉量の増加につながることが複数の研究で示されている、数少ない効果が実証されたサプリメントです【Kreider et al. 2017】。

クレアチンは食事だけで十分な量を摂るのは難しいため、サプリメントで補う価値が高い成分といえます。
まとめ|筋肥大を最大化するには食事までセットで考えよう
今回は、筋肥大を最大化するための食事の基本について、科学的根拠や具体例を踏まえ詳しく解説しました。
まとめ
- 最優先は十分な摂取カロリーを確保すること(体重が微増する程度)
- タンパク質は体重1kgあたり1.6~2.2gを目安に確保する
- 体重の変化を見ながら炭水化物と脂質の量を調整する
最初から理想的な食事や栄養バランスである必要はありません。
大切なのは、大まかでも良いので筋肥大に必要な栄養を継続して摂り続けることです。
まずは今回の記事を参考に、自分の目標摂取カロリーとPFCの目安を決め、1日の合計でだいたい摂りきるところから始めてみましょう。
どれだけ質の高いトレーニングをしても、食事が伴わなければ筋肉はなかなか成長しません。
トレーニングをした日とその翌日は特に、筋肉にしっかりと栄養を与えてあげましょう。
【参考文献】
・Murphy C, Koehler K. Energy deficiency impairs resistance training gains in lean mass but not strength: A meta-analysis and meta-regression. Scand J Med Sci Sports. 2022;32(1):125-137. doi:10.1111/sms.14075
・Simmons E, Fluckey JD, Riechman SE. Cumulative Muscle Protein Synthesis and Protein Intake Requirements. Annu Rev Nutr. 2016;36:17-43. doi:10.1146/annurev-nutr-071813-105549
・Morton RW, Murphy KT, McKellar SR, et al. A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults. Br J Sports Med. 2018;52(6):376-384. doi:10.1136/bjsports-2017-097608
・Iraki J, Fitschen P, Espinar S, Helms E. Nutrition Recommendations for Bodybuilders in the Off-Season: A Narrative Review. Sports. 2019;7(7):154. doi:10.3390/sports7070154
・Areta JL, Burke LM, Ross ML, et al. Timing and distribution of protein ingestion during prolonged recovery from resistance exercise alters myofibrillar protein synthesis. J Physiol. 2013;591(9):2319-2331. doi:10.1113/jphysiol.2012.244897
・Burd NA, West DWD, Moore DR, et al. Enhanced amino acid sensitivity of myofibrillar protein synthesis persists for up to 24 h after resistance exercise in young men. J Nutr. 2011;141(4):568-573. doi:10.3945/jn.110.135038
・Henselmans M, Bjørnsen T, Hedderman R, Vårvik FT. The Effect of Carbohydrate Intake on Strength and Resistance Training Performance: A Systematic Review. Nutrients. 2022;14(4):856. doi:10.3390/nu14040856
・Kreider RB, Kalman DS, Antonio J, et al. International Society of Sports Nutrition position stand: Safety and efficacy of creatine supplementation in exercise, sport, and medicine. J Int Soc Sports Nutr. 2017;14:18. doi:10.1186/s12970-017-0173-z
・Eric Helmsほか『肉体改造のピラミッド 栄養編』
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2025年版)