- ✔ 筋トレの重量はどのタイミングで上げるのが正解?
- ✔ 筋トレの重量は何kgずつ上げればいい?
- ✔ 自分の重量アップのペースが遅いか心配
筋トレにおいて「重量をいつ・どのくらい上げるのか」は多くの人が迷うポイントです。
重量の上げ方を間違えると、トレーニングの効果が低下するだけでなく、怪我のリスクも高まります。
また、重量が思うように伸びないと、「自分のやり方は間違っているのでは?」と不安になることもあるでしょう。
そのため、効率よく安全に筋肥大を進めるには、適切なタイミングで、適切な上げ幅で重量を伸ばしていくことが重要です。
この記事では実践的な視点から、重量を上げるタイミング・上げ幅・ペースの目安をわかりやすく解説します。

この記事を読むことで、重量を上げる明確な基準がわかり、迷わず効率的にトレーニングを進められるようになります。
専門的な知識がない初心者でも実践できるように丁寧に説明しているので、ぜひ最後までご覧ください。
もくじ
筋トレの重量を上げるタイミング
重量を上げるタイミングは、「今の重量に身体が適応した時」が適切です。
ただし、「適応の度合い」を正確に測定をすることはできません。
そのため、一定の判断基準を設けて、その基準を満たしたら重量を上げる方法が一般的です。
ここでは、まずもっとも基本的で、初心者でも実践しやすい判断基準を紹介します。
目標回数を全セット達成したら上げる
もっとも一般的な判断基準は、メニューで設定した目標回数を全セットで達成できたタイミングです。

たとえば、「10回×3セット」というメニューであれば、3セット全てで10回反復をすることができたら、次のトレーニングで重量を少し上げます。
1セット目だけ達成できた場合に比べ、疲労が溜まっている最終セットでも目標回数をこなせるということは、それだけその重量に対して身体が十分に適応できたと判断できます。
まずは「全セットで目標回数を達成できたタイミング」を基準に重量を伸ばしていきましょう。

回数が届かない場合は重量はそのまま
目標回数に届かなかった場合は、同じ重量のまま、回数を伸ばすことを目標にトレーニングを行いましょう。
このように重量または回数を徐々に上げていく方法をダブルプログレッションと呼びます。
特に、重量を上げた直後は目標回数に届かないことがよくありますが、達成できなかったからといってすぐに重量を下げる必要はありません。
トレーニング内容や食事に問題がなければ、トレーニングを繰り返すうちに、身体が新しい重量に徐々に適応し、回数を少しずつ多くこなせるようになります。
同じ重量のままトレーニングを繰り返し、目標回数を達成したら、次のトレーニングで重量を少し上げましょう。

参考
より安全で確実に判断したい場合は、「2for2ルール」という方法があります。
これは、2回連続のトレーニングで最終セットの回数が目標より2回以上増えたら重量を上げるという判断基準です。
2回連続で目標より2回多く行えるようになるまで同じ重量でトレーニングするため、クリアした段階でより確実に適応したと判断できます。
トレーニングを始めたばかりで体力に自信がない方は、この方法を試してみるのも良いでしょう。
フォームが崩れる・可動域が狭くなる場合は上げない
「同じフォーム・同じ可動域」で目標回数を達成できたからこそ、その重量に対して十分に適応したと判断する目安となります。
逆に言えば、目標回数を達成できてもフォームが崩れたり可動域が狭くなったら、まだ適応できているとは言えません。
「同じフォーム・同じ可動域」で達成できるまで、同じ重量で継続しましょう。
フォームが崩れたり可動域を狭くしないと上げられないような重量でトレーニングをすることは、トレーニング効率の低下や怪我のリスクも大きく高めます。
重量は「同じフォーム・同じ可動域」で達成できた時だけ上げるのが効果的かつ安全です。

ですが、長い目で見ると必ずフォームを修正する時期が来ます。
結果的に到達できる重量も、そこに至るペースも、正しいフォームで積み上げたほうが早くなることがほとんどです。
トレーニングはフォームを優先して行いましょう。
重量は最小単位で上げる【基本は1〜2.5kg刻み】
重量を上げる時は、「今の環境で増やせる最小単位」で少しずつ増やすのが基本です。
重量を一気に上げすぎてしまうと反復できる回数が極端に少なくなってしまいます。
すると、筋力や筋肉の成長に必要な総負荷量(反復回数×重量×セット数)が少なくなるので、トレーニングの効果が低くなってしまう可能性があります。
また、上げ幅が大きいほどフォームの維持が難しく、フォームの崩れや怪我のリスクが高まります。
具体的には、以下の表のように、使用する器具に応じて重量を調整しましょう。
| 種目・器具 | 重量の上げ幅(目安) |
|---|---|
| バーベル種目(例:ベンチプレス) | +2.5kg(左右に+1.25kgずつ) |
| ダンベル種目(例:サイドレイズ) | +1〜2kg |
| マシン種目(例:ラットプルダウン) | +1段階(微調整が可能であれば+2.5~5kg) |
効率よく安全にトレーニングを行うために、重量は少しずつ上げるようにしましょう。
具体例|ベンチプレスの重量の上げ方
ここまで解説した重量の上げ方(タイミング・上げ幅)を、実際のトレーニングを例に具体的に見ていきましょう。
上げ方のポイントをまとめると以下の3つです。
重量の上げ方のポイント
- 全セットで目標回数を達成したら、次のトレーニングで重量を上げる
- 重量の上げ幅は最小単位にする
- 目標回数が達成できなかった場合は、次回も重量はそのままにする
たとえば、ベンチプレスを「10回 × 3セット」を目標にしているとします。
今回のトレーニングで「50kg × 10回 × 3セット」が達成できた場合、次回は最小単位(ベンチプレスなら+2.5kg)を加え「52.5kg × 10回 × 3セット」に挑戦します。
「52.5kg × 10回 × 3セット」を達成できた場合は、次のトレーニングで55kgに重量を上げます。
もし、55kgに上げた結果「10回 × 3セット」が達成できなかった場合は、次も同じ重量(55kg)のままトレーニングを継続します。
55kgでトレーニングを続けるうちに徐々に身体が適応し、回数が少しずつ伸びていきます。(例:「10−9−7」→「10−10−8」→「10−10−10」)
そして、「55kg × 10回 × 3セット」が達成できたタイミングで57.5kgに重量を上げます。
以下の表に、トレーニングの進め方の具体例をまとめました。
| トレーニングの結果 | 次回の負荷設定 |
|---|---|
| 50kg × 10回 × 3セット達成 | 52.5kgに進む |
| 52.5kg × 10回 × 3セット未達成 | 52.5kgで再挑戦 |
| → 再挑戦で達成 | 55kgに進む |
| → 回数は増えたが未達成 | 52.5kgで継続 |
| → 回数も増えなかった/減った | 50kgに一時的に戻す※ |
※同じ重量で2回連続で回数が増えない(または下がる)時は、フォームの崩れや疲労が原因として考えられます。
その場合はフォームの修正と疲労の回復を優先させるために、一時的に前の重量に戻すことが有効です。(例:1段階/-2.5kg、または-5〜10%)
目標回数を綺麗なフォームで達成できたら元の重量に戻して、再度同じ流れでトレーニングを行いましょう。
このように「負荷を少し上げる→身体が適応する→負荷を少し上げる」というプロセスを繰り返すことで、筋肉量や筋力を向上させることができます。

これを漸進性過負荷の原則と言い、トレーニングで効果を出すために最も重要な考え方の一つです。
重量をアップするペースの目安
重量の上げ方と付随した内容として、重量をアップするペースについても解説をしておきます。
トレーニングで扱う重量は、初心者の段階がもっとも伸ばしやすく、トレーニングを続けて体力レベルが向上するにつれてその伸びは緩やかになります。
これは下の図のように、「トレーニングを重ねた先に到達し得る上限(遺伝的限界)」があり、その上限に近づくほど重量を伸ばすのが難しくなるためです。

「スターティングストレングス 第3版 Basic Barbell Training」を参考に筆者が作成。
ただし、その上限までの距離や重量が伸びていくペースは、体格などの遺伝的な要因や運動歴、トレーニング状況によって非常に大きな個人差があります。
そのため、今回はわかりやすくトレーニング歴で分けて解説をしますが、あくまでも目安として確認をしてみてください。
初心者(トレーニング歴:半年未満)
トレーニングを始めたばかりの段階では、毎回のトレーニング〜1、2週間に1回程度のペースで重量を上げることができるのが一般的です。
初心者の段階で重量が上がりやすい主な理由は以下の3つです。
初心者の重量が伸びやすい理由
- トレーニングの動きや力の発揮に身体が慣れる(神経系の適応)
- 扱う重量が軽く、伸びしろが大きい
- 重量が軽いので、疲労が少なく回復が早い
トレーニング初期は筋肉が急激に増えるというよりも、身体が動作に慣れることで早いペースで重量を上げることができます。[1.2]
また、トレーニングで扱う絶対的な重量も軽めであることがほとんどなので、毎回重量を上げられることも少なくありません。
ただし、重量が上げられない日があったとしても、問題ありません。
トレーニング頻度にもよりますが、回数が少しずつ増えていて、数週間で1回でも更新できていれば順調です。
目標回数を同じフォーム・可動域で達成できているかを基準に、焦らず最小単位で少しずつ上げていきましょう。
中級者(トレーニング歴:半年〜1年)
中級者の段階では、初心者の頃のように「トレーニングに慣れる」だけで伸びることが少なくなり、数週間単位での重量の更新が目標となります。
扱う重量も徐々に大きくなり、伸びしろが小さくなる(=上限に近づく)ため、重量をアップするペースが緩やかになるのは自然なことです。
この段階ではトレーニングのたびに重量を上げることは難しくなってくるので、同じ重量でトレーニングを繰り返し、目標回数を達成したら重量を上げるパターンが多くなります。
たまに重量も回数も伸びない時がありつつ、どちらかを少しずつ伸ばせていれば問題はありません。
十分な週あたりのトレーニング量(セット数)と栄養が摂れていれば、この記事で紹介している上げ方で重量を伸ばしていくことが可能です。
この段階から停滞を感じ始める
これくらいの段階から重量だけでなく回数も伸びないことが連続する、いわゆる停滞をしてしまう場合があります。
この段階での停滞を抜けるためには、特殊なトレーニング法や複雑なメニューを取り入れるよりも、トレーニング量の調整やフォームの修正、食事内容といった基礎的なことを修正することが有効です。
詳しくは、下記の記事で原因や解決策を確認してみましょう。
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筋トレの重量が伸びない6つの原因と解決策【停滞期を抜け出す方法】
この記事の結論 ✔ まずはセット数・頻度・食事などの基本を見直す ✔ 筋力向上には高強度のトレーニングが有効 ✔ トレーニングのやりすぎや睡眠不足も停滞の原因 ...
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上級者(トレーニング歴:1年以上)
トレーニング歴がさらに長くなり体力レベルが上がってくると、重量アップのペースはさらに緩やかになり、数週間〜数ヶ月単位で更新を狙う形になります。
この段階では重量やトレーニング量が大きくなっているので、毎回限界まで追い込むようなトレーニングでは疲労が大きく、停滞や怪我のリスクが高まります。
トレーニングと食事管理をしっかりと継続しても停滞が続く場合には、努力不足ではなく、この段階まで体力レベルが上がったと思って良いでしょう。
参考
この段階ではトレーニングメニューの組み方やトレーニングの強度を時期によって変え(ピリオダイゼーションと呼ばれます)、疲労を管理しながら長期的に重量を伸ばしていく必要があります。
具体的には、毎回ではなく数週間〜数ヶ月に1度、推定の1RM(一回がギリギリ上げられる重量)を測定し、その数値を基に重量を増減させる方法が一般的です。
この段階まで来ている人は、すでに一般的に見て十分に筋力や筋量を伸ばしすことができています。
ここからは短期的な更新よりも、長期的に積み上げていく視点が重要になります。
まとめ|重量は少しずつ着実に上げよう
今回は、筋トレの重量を上げ方とペースについて解説をしました。
重量を上げるタイミングや方法で迷った時は、まずは「全セットで目標回数を達成できたか」を基準に判断するとシンプルです。
重量アップのペースは非常に大きな個人差があるため、他人と比べて焦る必要はありません。
大切なのは「どれくらい早く上げるか」ではなく、「同じフォーム・同じ可動域」で着実に重量を伸ばしていくことです。
まずは、目標回数を達成できたタイミングで、最小単位で少しずつ重量を上げていきましょう。
【参考文献】
[1] Moritani T, deVries HA. 1979. Neural factors versus hypertrophy in the time course of muscle strength gain. Am J Phys Med.
[2] Gabriel DA, Kamen G, Frost G. 2006. Neural adaptations to resistive exercise: mechanisms and recommendations for training practices. Sports Med.