筋肥大の基本

筋トレの最適な重量と回数の目安は?初心者でも迷わない決め方を解説

この記事で解決できるお悩み
  • 筋肉をつけるための最適な負荷(重量)を知りたい
  • 自分の目的に合った重量の目安を知りたい(筋肥大・筋力・筋持久力)
  • トレーニングしているのに成長を感じない

筋トレの効果は、自分にとってどれくらいの負荷(重量)でトレーニングするかによって大きく変わります。

効率よく成果を出すためには、自分の体力レベルに合った適切な重量に設定して行うことが重要です。

この記事では科学的根拠と実践経験に基づいて、目的別の最適な重量と回数の目安、設定方法をわかりやすく解説します。 

パーソナルトレーナー Seiya Sato のプロフィール画像(JBBF、Muscle Gate入賞・NSCA-CPT)

この記事を読むことで、自分に合った負荷の見つけ方がわかり、効率的なトレーニングを今すぐ始められるようになります

専門的な知識がない初心者でも実践できるように丁寧に説明しているので、ぜひ最後までご覧ください。

適切な重量設定が必要な理由

筋トレの効果は、「自分にとってどれくらいの負荷(重量)」で、「どれくらいのトレーニング量(反復回数・セット数)」を行うかによって大きく変わります。

「自分にとってどれくらいの負荷(重量)」を、筋トレでは「強度」といいます。

反復できる回数は強度によってある程度決まるため、強度はトレーニングの量にも影響を与えます。

つまり、負荷の強度は筋トレの効果を決める最も重要な要素であり、目的の成果を出すためには、一番最初に適切に設定する必要があります。 強度(負荷の大きさ)とトレーニング量(回数・セット数)の組み合わせが筋トレ効果を決めることを示した図解

たとえば、強度が高い(=負荷が重い)と筋力向上には効果的ですが、反復できる回数が少なくなるため、トレーニング全体の量(総負荷量)が低下し、筋肥大にはあまり効率的ではありません。

反対に、強度が低い(=負荷が軽い)と、筋肉への刺激(機械的張力)が弱くなるので、筋肥大を目指す場合は、疲労困憊になるまで反復をこなす必要があります。

このように、効率よく目的を達成するには、自分の目的に合った「ちょうどいい重量」に設定してトレーニングをする必要があります。

では実際に、目的別の適切な負荷強度はどれくらいなのか確認しましょう。

目的別|筋トレの重量と回数の目安

重量を決める際に参考になるのが、「負荷強度と筋トレ効果の関係」を示した以下の表です。

負荷強度別トレーニング効果比較表:1-5RMは筋力向上、6-12RMは筋肥大(効率最高)、12RM以上は筋持久力を示す科学的根拠に基づく表

※表は以下の文献を参考に作者作成 American College of Sports Medicine (2009)、NSCA's Essentials of Personal Training

RMとは

「RM」とは「Repetition Maximum(最大反復回数)」の略で、筋トレにおいて強度を示す際に用いられます。

例えば、「10RM」と書いてある場合、「10回ギリギリ反復できる負荷(重量)」ということを表します。

それぞれ詳しく解説します。

筋肥大:「10回ギリギリできる重量」(8〜12RM)

筋肥大が目的の場合は、8〜12RM(8〜12回で限界になる重量)を目安に行いましょう。

筋肥大の目安

強度:8〜12RM(8〜12回で限界になる重量)

先ほどの表では「6~12RM」が筋肥大ゾーンとなっていますが、6〜7RMはフォームがまだ安定していない初心者にとってはやや高強度であり、安全面のリスクが高まります。

そのため、筋肥大を狙ってトレーニングを行う場合、強度の高い部分を少し除いた8〜12RM=”10回がギリギリ反復できる負荷”を目安にするのが、初心者から中級者まで幅広く適用できる標準的な強といえます。

この重量範囲が筋肥大に適している理由は、筋肉を強い刺激を与えつつ、回数もある程度多くできる(=トレーニング量を効率よく確保できる)ためです。

実際、アメリカスポーツ医学会(ACSM)のガイドラインでも、筋肥大を目的とした場合は6~12RM、特に初心者向けには8~12RMとなるような重量設定を推奨しています。(ACSM, 2009)

もし重量設定で迷っている、これから筋トレを始めようと考えている初心者の人は、まずは「10回がギリギリ反復できる重量」から始めてみましょう。

最新の科学的知見

最新の研究では、従来の推奨(6〜12RM)よりも幅広い範囲の負荷でも、条件を揃えることで同等の筋肥大効果が得られることが明らかになっています。

ただし、重い負荷(〜5RM)では反復できる回数が少なくなるので、総負荷量を確保するためにセット数を増やす必要があります。

一方、軽い負荷(20RM〜)で筋肥大効果を得るためには、非常に多くの反復回数が必要になります。

その結果、トレーニング時間が長くなるだけでなく、精神的・肉体的な負担が大きくなり、怪我やオーバートレーニングのリスクを高めます。

こうした理由から、国際ストレングス&コンディショニング協会(IUSCA)は2021年の公式声明にて、幅広い負荷ゾーンで筋肥大は可能だが、中程度の負荷(6~12RM)によるトレーニングには最も実用的な利点があるとしています。(IUSCA, 2021)

このように最新の科学的知見からも「10回がギリギリ反復できる負荷」は、効果・時間効率・安全性・継続のしやすさという点で、バランスが取れた現実的な選択肢であるといえます。

筋力向上:1〜5RM

筋力向上が目的の場合は、1〜5RM(1〜5回で限界になる重量)を目安に行いましょう。

筋力向上の目安

強度:1〜5RM(1〜5回で限界になる重量)

高強度でトレーニングを行うことで、神経系の適応が強く促され、運動単位の動員効率が高まり能力が伸びやすくなります。

たとえば、「ベンチプレスのMAXを更新したい」といった場合には、この強度設定でのトレーニングが有効です。

注意ポイント

高強度でのトレーニングは怪我のリスクが高いので、まずは10RM前後からトレーニングを始め、正しいフォームを習得してから行うようにしましょう。

筋持久力:15RM以上

筋持久力を高めたい場合は、15RM〜(15回以上で限界になる重量)を目安に行いましょう。

筋持久力の目安

強度:15RM〜(15回以上で限界になる重量)

軽めの重量で反復をたくさん重ねることで、筋力を長時間にわたって発揮し続ける能力を高めやすくなります。

たとえば、長距離走や登山などの持久系スポーツのパフォーマンス向上が筋トレの目的であれば、この重量設定が有効です。

適切な重量の設定方法

それでは、ここからは実際にトレーニングを行うために、10RM(10回がギリギリ反復できる重量)を設定する具体的な手順を解説します。

STEP1:軽めの重量からスタートする

ウォーミングアップとフォームの確認をかねて、軽い重量で10回反復します。

バーベル種目はシャフト(20kg)から、ダンベル種目やマシンであれば余裕をもって10回できる重量から行いましょう。

例:ベンチプレス
1セット目:シャフトのみ(20kg)×10回(非常に余裕がある) 

STEP2:10回反復できたら重量を少し上げる

フォームを崩さずに10回反復ができたら、次のセットでは少し重量を上げます。

上げる重量は、バーベルなら2.5kg、ダンベルなら1〜2kg、マシンなら1段階ずつ増やします。

種目・器具 重量の上げ幅(目安)
バーベル種目 +2.5kg(左右に+1.25kgずつ)
ダンベル種目 +1~2kg
マシン種目 +1段階(微調整が可能であれば+2.5~5kg)

明らかに10回反復ができそうなら、数回でやめて次の重量に進むか、重量の上げ幅を増やしても問題ありません。

2セット目:30kg×5回(明らかに10回できる)
3セット目:35kg×10回(まだ少し余裕がある)

STEP3:10回がギリギリ反復できる重量になるまでSTEP2を繰り返す

2〜3分の休憩を挟みながら「10回反復できたら重量を少し上げる」工程を繰り返します。

そして、10回がギリギリ反復できる重量になれば設定終了です。

もし重量を上げて10回以下になってしまったら、1段階前の重量に設定し実際のトレーニングを始めましょう。

4セット目:37.5kg×10回(もう少しできそう)
5セット目:40kg×10回(ギリギリ10回できた)←ここで設定終了
6セット目:42.5kg×7回(7回で限界)

適切な負荷に設定するために、必ず正しいフォーム、動作範囲でできた回数のみをカウントしましょう。

実際の例(ベンチプレス)をまとめると以下の表のようになります。

ベンチプレスで負荷を設定する手順の例。軽い重量から始めて、フォームが安定した状態で10回ギリギリできる重量まで段階的に上げていくプロセスを図解。

重量を設定する際の注意点3つ

重量を設定する際には、トレーニングの効率や安全性を損なわないよう以下の3つの注意点を守りましょう。

重量を設定する際の注意点

  1. 正しいフォームで行う
  2. 動作範囲を狭くしない
  3. インターバルはしっかり取る

1つずつ確認します。

正しいフォームで行う

正しいフォームで反復することを優先しましょう。

初心者の段階では、我流のフォームの方が重い重量を上げることができるかもしれませんが、鍛えたい部位を適切に刺激をすることができません。

そのため、間違ったフォームでのトレーニングは長期的には効率が悪く、怪我のリスクを高めます

正しいフォームで反復できた回数のみをカウントしましょう。

我流のままトレーニングを継続しても、結局怪我や伸び悩み、フォームを修正することになるので、最初から正しいフォームの習得を優先しましょう!

動作範囲を狭くしない

重量を上げても、動作範囲(可動域)を狭くしないようにしましょう。

動作範囲を狭くしてしまうと筋肉への負荷量が少なくなり、部位によっては筋肥大効果が低下します。

また、動作範囲を狭くしないと反復できないような高負荷でのトレーニングは、フォームの崩れを引き起こし怪我のリスクを高めます。

負荷が上がってくると、動作範囲を狭くしてしまいやすいので注意しましょう。

同じフォーム、同じ可動域で重量が上がっていくことで成長していると言えます!

インターバルはしっかり取る

インターバルが短すぎると、疲労が多く溜まった状態で次のセットを行いことになります。

その結果、元気な状態と比べ反復できる回数が減ってしまうので、正確な重量設定が難しくなります。

セット間のインターバルはしっかり、2〜3分を目安に取りましょう

トレーニングにおいて特に重量なことは、怪我をしないことです。

怪我をしてしまうと、トレーニングを継続することが難しくなってしまします。

長期的な筋肥大を実現するためにも、これらのポイントに注意して無理のない重量設定を行いましょう。

回数は「限界の少し手前」が基本

回数は、必ずしも毎回限界までやった方がいいわけではありません。

序盤のセットは限界の1~2回前でやめ、最後のセットだけ限界まで行うのが理想的です。

最初のセットから限界まで追い込むと疲労が大きくなり、後半のセットで反復回数が大きく減ってしまいます。

その結果、序盤のセットで少し余力を残した場合よりも、合計の反復回数(トレーニング量)が減り、トレーニング効果が低下することがあります。

たとえば、10RMでトレーニングするとき、毎セット限界まで追い込む場合と、少し余力を残す場合を比べると、以下の図のようになります。

毎回限界まで追い込む場合と余力を少し残す場合の比較(10RM×3セット)。毎回限界は22回、余力を残すと24回で、合計の反復回数が増える

また、毎回限界まで追い込むようなトレーニングは、疲労の蓄積やフォームの崩れを誘発しやすく、伸び悩みや怪我のリスクを高めます

以上の理由から、序盤のセットは限界の1~2回前でやめ、最後のセットだけ限界まで行いましょう。

下記の記事では、どこまで追い込むのが理想的なのかを科学的根拠を踏まえて解説しています。

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回数と重量の伸ばし方

トレーニングを正しく続けることができれば、筋力が徐々に向上し、設定した重量が少しずつ軽く感じるようになります。

たとえば、10RMの重量でトレーニングする場合、最初は8回が「限界の2回手前」になりますが、トレーニングを続けるうちに同じ重量でも「限界の2回手前」でできる回数が9回、10回と徐々に増えていきます。

10RMで回数を伸ばし、全セット達成で重量を上げる進行例(8-8-8→10-10-10)

このように、序盤のセットは限界まで追い込まないようにしつつ回数を伸ばしていき、全てのセットで目標回数(この例では10回)を反復できるようになったら、重量を上げます。

重量の上げ方は以下の記事で詳しく解説しています。

筋トレの重量を上げるタイミング・上げ幅・ペースの目安を解説する記事のアイキャッチ画像
筋トレの重量を上げるタイミングは?|上げ方とペースの目安を解説

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重量は少しずつ上げる(漸進性過負荷の原則)

筋トレの効果を継続的に出すためには、一度適切な重量に設定しておしまいではなく、自分の成長に合わせて重量を徐々に増やす必要があります。

これを漸進性過負荷の原則(Progressive Overload)といい、筋トレの効果を継続的に得るために最も重要な原則の1つです。

階段状に進むトレーニングの流れを使って、漸進性過負荷の原則を視覚的に表した図。負荷を徐々に高めながら筋肉の成長を促すことを示している。

なぜ重量を増やす必要があるのかというと、同じ重量のままトレーニングを続けていくと、身体がその負荷に適応し、トレーニングの効果が徐々に薄れてきてしまうからです。

そのため、身体が今の負荷に適応したタイミングで、負荷を少し上げて適切な負荷に調整し直す必要があります。

重量を上げる際は、以下の3つのポイントを押さえましょう。

重量を上げる時のポイント

  • 重量の上げ幅は最小単位で少しずつ(バーベル+2.5kg/ダンベル+1〜2kg/マシン+1段階)
  • 全セットで目標回数を達成できたら重量を上げる
  • 目標回数を未達成/フォームが崩れた場合は、重量はそのまま
トレーニングを継続しているのに変化を感じない人は、この原則に則ったトレーニングができていないことが非常に多いので、実践できているか確認しましょう。

具体的な重量の上げ方や、目標達成できなかった場合の対処法については、以下の記事で詳しく解説しています。

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まとめ:適切な負荷強度で筋肥大効果を最大化しよう

今回は効率的な筋肥大を実現するための負荷強度と負荷の上げ方について、科学的根拠も踏まえ詳しく解説しました。

まとめ

  • 筋肥大には「6〜12RM」の負荷強度が効率的
  • 初心者は「10回がギリギリ反復できる重量」を目安に始める
  • 負荷は慣れてきたら少しずつ上げる

筋トレの効果は、「どれくらいの負荷強度」でトレーニングするかによって大きく変わります。

自分の体力レベルに合った負荷でスタートし、無理のないペースで負荷を高めていくことが、理想の体に近づく最短ルートです。

まずは「10回がギリギリ反復できる重量」を設定し、正しいフォームで効率的なトレーニングを継続しましょう。

【参考文献】

・American College of Sports Medicine. (2009). Progression Models in Resistance Training for Healthy Adults. Medicine & Science in Sports & Exercise, 41(3), 687-708. DOI: 10.1249/MSS.0b013e3181915670

・International University Strength and Conditioning Association. (2021). Resistance Training Recommendations to Maximize Muscle Hypertrophy in an Athletic Population: Position Stand of the IUSCA. International Journal of Strength and Conditioning, 1(1). DOI: 10.47206/ijsc.v1i1.81

・Coburn, J. W., & Malek, M. H. (2011). *NSCA’s Essentials of Personal Training* (2nd ed.). Human Kinetics.
(日本語訳監修:森谷敏夫ほか『パーソナルトレーナーのための基礎知識 第2版』NSCA JAPAN)

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せいや

パーソナルトレーナー|NSCA-CPT|指導歴8年|年間1,000セッション以上担当|20代中盤から筋トレ開始▶︎未経験から複数大会で入賞(関東メンズフィジーク9位 / クラシックフィジーク2位 etc.)|note月3万PV|YouTubeでトレーニングを解説|科学と実践に基づく“続けられるボディメイク”を発信中

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